2016年1月に「米国エネルギー省が、高温ガス炉と熔融塩炉に各々$40million(約50億円)の政府資金を出すことを決めた」というビッグニュースがありました。(本年度は各々約7億円)
http://energyfromthorium.com/2016/01/16/doe-terrapower/ (2025.08.15 リンク切れ)
ご存知のように、世界の多くの国で熔融塩炉の開発研究が進められていますが、米国は永年、いかなる新型原子炉の開発にも、政府資金を投じて来ませんでした。 それが大きく舵を切った訳で、世界や日本に大きな影響を与えることになるでしょう。 また、資金の受け皿が全米4位の電力会社で、ほかに米国電力中央研究所やORNL(オークリッジ国立研究所)、ビルゲーツ子会社も参加していることから、オール米国1とでもいう大きな動きとなりそうです。
但し、今回採用されたMCFR(Molten Chloride Fast Reactor)は、塩化物を用いた高速炉型の熔融塩炉です。従来、ORNL(MSBR)やFUJIが採用している弗化物を用いた熱中性子型の原子炉とも、仏やロシアが研究している弗化物使用の高速炉とも異なります。 MCFRは、1960年代に、ORNLが机上検討していましたが、早期の実現は難しい、として開発を断念しています。概念設計書さえ存在しません。 これらについて評価検討する為の研究会を2016年4月23日に開催しました。
なお、公開されているのは下記のポンチ絵だけです。
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上記のDOE支援研究の参加会社は、下記の5機関です。 Southern Company Services(米国の大手電力会社の子会社)、 TerraPower(ビルゲーツの会社)、 Electric Power Research Institute(米国電力中央研究所)、 Vanderbilt University、 Oak Ridge National Laboratory ↩︎